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【目次】 1.指しゃぶりについて 2.幼児期の指しゃぶり 3.問題のある「指しゃぶり」 4.指しゃぶりの原因 5.指しゃぶりをどう治すか? 6.心理学的援助法 1. 指しゃぶりについて 1.指しゃぶりは胎児の頃(4ヶ月の終わり頃から)から始まる。 これは「吸啜(きゅうてつ)反射」と呼ばれる。 2.新生児では「お腹がすくと指しゃぶりが増える」ことがわかっている。 3.離乳前の乳児期に見られる指しゃぶりは、「人(動物)として自然な反応」 4.出生後の指しゃぶりは、口という敏感な組織が、将来いろいろな食べ物が口に入ってきた時に、嘔吐反射や吐き出しなど のパニックを起こさないための脱感作の役割をはたしており、「口で食べる」ということの「トレーニング」の役割を果たし ている。 5.「指をなめてじっとその手を観察する」という動作の繰り返しは、自分の肉体の存在を確認しながら「自分がいる。他人 がいる」という自他の境界を区分する精神発達に不可欠 2. 幼児期の指しゃぶり 1才を過ぎても19%〜32%程度の赤ちゃんが指しゃぶりをしている。 (母親へのアンケート結果) 基本的には「おおらかな気持ち」で見てあげてよい。 3. 問題のある「指しゃぶり」 @養育者が子どもとの交流に煩わしさを感じている場合 母親に「指をしゃぶってくれないかな〜、そうすると静かになって私も楽なのに」という気持ちがあると、子どもの指しゃぶ りが促進されて固着化を招くことがある。 「指をしゃぶるとお母さんの機嫌がよくなる」ということが繰り返されることになり、赤ちゃんは指しゃぶりに傾斜してい く。 これは、赤ちゃんは「指をしゃぶると母の機嫌がよくなる」という報酬を得ることになるから。 やがて抜け出せなくなる。 A養育者に硬直化した視点が見られる場合 「口は、おっぱいを飲んだり食べたりすること以外に使うべきではない」 「指をしゃぶるのは汚い」 養育者がこのような考えを持っていると、赤ちゃんは「受け入れられていない」と感じるようになり、ますます指しゃぶりに 傾斜していくようになる。 【心理的課題をはらんだ指しゃぶり】 養育者の厳しい視線や育てるわずらわしさからの手抜き、子どもに与える喜びや楽しさの不足で促進された指しゃぶりは、幼 児期後期に固着が始まる。 ⇒親が不機嫌 ⇒夫婦ゲンカが多い ⇒仲間はずれ ⇒保母が多忙で相手をしてくれない・・・・・など このようなことで「悲哀」を感じると、指しゃぶりで心のバランスをとろうとするようになる。 (「口期固着」:エリクソン)=「人の発達の初期で停滞している状態」 「心理的課題」が存在するのに、安易に行動療法的なものを行うのはNG ⇒指にカラシをぬる ⇒指をしゃぶらなかったら、ご褒美をあげる・・・・など このような対応を行うと、指しゃぶり以外の「習癖固着」が現れたり、チックやパニックに陥ることがある。 「習癖固着」:爪をかむ、唇を吸う、性器をいじる、など 4. 指しゃぶりの原因 大きく3つに分類することができる @生得(しょうとく)因子 A養育因子 B心理因子 @生得因子(生まれつきの原因) ■空腹のサイン ■年齢による違い(ピークは2歳まで。その後減少) ■性別(「女の子>男の子」であることが知られている) ■発達の遅れ A養育因子(育つ環境) ■西欧化 欧米では日本や低開発に比べて「指しゃぶり」が多い。 これは「スキンシップ」を行わない傾向があるため。 ■核家族化やライフスタイルの変化 核家族化やライフスタイルの変化が進んだ結果として、母親がパートなどで多忙となり、「子どもとのふれあいや豊かな心の 交流」を行う余裕がなくなってきている。 また、従来は母親をサポートしてくれる存在であった祖父母も、現在は同居していないケースが増えているのも一因。 このため、父親の「育児への参加」や「家事の分担」などにより、母親にだけ過重な負荷がかからないようにする配慮が必 要。 ■兄弟 下に兄弟が生れて、母親がそちらにかかりきりになると、上の子は、「自分は愛されていないのでは?」と感じ、指しゃぶり をしたり過剰に甘えるなど、退行が見られることがあります。 ■養育環境 自宅教育に比べて、幼稚園児や保育園児で指しゃぶりが多い。 その原因としては・・・ ⇒母親が働いていて、疲れてしまい、豊かな母子交流ができていない あるいは ⇒保育環境が子どもにとって十分な環境でない。 (保育者が十分な人数存在しない) B心理的な原因(心理因子) 「不安感」を紛らわすために指しゃぶりをしていることがある。 子どもが、どんな時、不安感を感じるのか? ⇒ネグレクト、虐待、両親の不和(気配におびえる) (暴力、食事を与えない、放置、無視、叱責、態度の豹変など) 指しゃぶりを無理矢理やめさせると、爪を噛んだりするようになる可能性がある。 (大人になっても、この爪噛みがやめられずに、「爪のない手」になっている人もいるそうです。 【指しゃぶりで起こり得る弊害】 ■歯並びが悪くなる。噛み合わせが悪くなる。 但し、3〜5歳で指しゃぶりが無くなれば、元に戻るとも言われている。 ⇒歯科医にご相談を。 ■舌の運動に異常を生じる 食べ物を飲みこんだり、言葉の発音に支障がでることがある。 ■外観障害 口周辺の「見た目」が悪くなることがあったり、「指をしゃぶっている自分がかっこ悪い」という意識から、なんらかのメン タルの障害につながる可能性がある。 ■発達遅延 3歳くらいになっても日中の指しゃぶりが長時間に及んでいるようだと、手を使う作業や手をつなぐことによる相互交流など に支障が出て、これが発達の遅れにつながることがある。 5. 指しゃぶりをどう治すか? ■子どもの養育環境を整える ⇒「夫婦ゲンカがなくなったら、治った」 ⇒「新しい夫ができたら、治った」 ⇒「幼稚園に行くようになったら、治った」 などの例が見られるそうです。 また、親に「育児に関する不安」がある場合には、その不安を解消することも必要。 6. 心理学的援助法 ■来談者中心療法によるカウンセリング ⇒養育者及び本人 *当方では対応できません。 (当方が「児童心理学」等を学んでいないからです) ■上記で解決しない場合、行動療法が次の選択肢となる。 ⇒行動療法とは、例えば「指しゃぶりをしなかったら、ご褒美をあげる」などの手法のことです。 ただ、このようなやり方は「本当の(根っこの)原因」を解決したことにはならないので、止めたとたん、もとに戻ってし まったり、何か他のことでストレスを発散するようになる可能性がある等、対応が難しいので、専門家の指導のもとで行うこ とが望ましい。 特に「そんなことしちゃダメでしょ!」という感じで「指しゃぶり」を無理矢理禁じることは厳に慎むこと。 ■家族療法 問題の原因が家庭内にある場合には、それを解決することが必要 (嫁姑問題が背景にある場合など) 固着した指しゃぶりを治すべき年齢は、目安としては、永久歯が生えてくる5歳くらいから。 固着した指しゃぶりを治す場合、「指しゃぶりにこだわっている母親の子育て(の考え方)」の方に問題がある場合が多い。 ⇒母親が子どもを受容(受け入れること)できていないケースが多く見られるということ。 「受容」とは、簡単に言うと、子どもの「本当の気持ち」(多くの場合、お母さんに、だっこしてもらいたいとかおっぱいが 欲しいとか、そうやって甘えたいとか思っているようです)をわかってあげることです。 ■共感の例 @便秘の赤ちゃんのうんちが出た! ⇒自分の便秘が解消したかのように「さわやかさ」を感じ、「う〜ん、気持ちよかったねぇ」と言って、赤ちゃんのお腹をさ すってあげる。 子どもが指しゃぶりをしている場合、母親には、育児に限らず、かなりのストレスがかかっていると思われるケースが多い。 そのよう時には、父親に育児参加してもらうことを検討してもらうとよい。 (一人で抱え込ませない工夫が必要) |
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